みなさまごきげんよう。太陽ホームのナベです。
本日、筆者にとって忘れられない一日となりました。
岩魚釣りの師匠であるT師匠が、1年間過ごされた長野を離れ、奥様と共に岡山へと旅立たれるのでございます。
今日はこの旅立ちの一日を、これまでの1年間の思い出と共に、丁寧に振り返らせていただきます。

夕方、T師匠のお宅に到着いたしますと、既に業者さんの引っ越しトラックには家財がぎっしりと積み込まれておりました。
信州安茂里の里山を背景に停まるトラック、この光景を見た瞬間、「あ、本当に行ってしまんだな」という実感が・・・。
T師匠との出会いは、ちょうど1年前の令和7年9月まで遡ります。
T師匠は、長野で長年愛されてきた「信州の隠れ宿まほろば」を立ち上げ、オーナーシェフを務められた方でございます。後継者へまほろばを譲られることになり、1年間の伴走指導のために長野市内に住まわれる賃貸住宅を、筆者がご紹介させていただいたのが、きっかけでございました。
単なる賃貸借契約のご縁のはずが、そこから渓流釣りを教えていただくことを通じて、この夏2回も竿を並べさせていただく関係へと発展したのは、まさに幸運としか言いようがございませんww
これまで太陽ホームでは「YYP」というシリーズタグで、T師匠との思い出を綴ってまいりました。この完結編を機に、YYPの最終定義を正式にお知らせいたします。
YYP=Y(優しく×易しく/Yasashiku)+Y(融通/Yu-zu)+P(プロジェクト/Project)
1つ目のYは「優しく」と「易しく」の掛け算でございます。心の温度感と、わかりやすさの両立、この2つが揃って初めて本当のやさしさになるという意味を込めております。
掛け算なので、どちらかが0だと・・・以下略でございますww
2つ目のYは「融通」。お客様の状況に応じた柔軟な対応、これぞ中小の地域密着型不動産屋だからこそできる価値でございます。
そしてPは「プロジェクト」。単発の対応ではなく、日々の経済活動すべてを通じて継続的に実践していく、という意志表明でございます。
そして、この記事のサブタイトルにもある「逆YYP」とは??
YYPが太陽ホームからお客様へ発信する優しさなら、逆YYPはお客様や周囲の方々から太陽ホームへ頂くご恩のことでございます。
T師匠との1年間は、まさに逆YYPの連続だったなあ、と改めて実感する次第でございます!!
T師匠とご一緒させていただいた渓流は、主に栂池方面と蓮華温泉方面、北アルプス北部の名渓でございました。

上の滝から中段の岩を経て下のプールへ流れ落ちる完璧な階段状の渓相、T師匠はこのような場所を一目見ただけで「ここに岩魚がいる」と見抜かれる次第でございます。
筆者にはただの美しい風景にしか見えないのですが、T師匠の眼には「岩魚の潜む場所」が透けて見えているようでございました。

そして何より驚かされたのが、T師匠の健脚でございます。
74歳とは思えない身のこなしで、急流の白泡を軽やかに越え、濡れた岩を次々と踏破されていかれます。
毎朝10km走っている筆者ですら、追いつくのがやっとという速さでございました。
渓流を歩く姿はまるで「我が家のリビングを歩いているかのような自然さ」、まほろばオーナーシェフとして長年山菜採りや渓流での食材調達を続けてこられた歳月が、この身のこなしを作られたのだと拝察いたします。

そしてこれが、T師匠が釣り上げられたニッコウイワナ(Salvelinus leucomaenis pluvius)でございます。体側の白斑、腹部の美しい朱色、まさに日本の渓流魚の宝でございます。
T師匠から教わった「岩魚の心を読む」技術は、大きく3つのポイントに集約されます。
1つ目、急流の脇の流れが緩いところで岩魚は休んでいる。体力を使わずに餌を待てる絶好のポイント、ここを見逃してはいけない。
2つ目、大きなプールには優良個体が潜む。特に深みのある岩陰、ここは狙い所。
3つ目、流れが急で白く泡立っているところの下。酸素豊富で餌も流れてくる、岩魚にとってのご馳走スポットでございます。
そしてアワセのタイミング。「早すぎてもフッキングしない、遅すぎると針を飲んでしまう」。
この教えは不動産業においても通じる金言でございます。
お客様のご決断のタイミングを見極める、まさに同じ感覚が求められる次第でございます。

T師匠のすごさは、釣りだけでは終わりません。
釣り上げた岩魚を、その場で丁寧に捌かれる技、これぞまほろばオーナーシェフの真骨頂でございます。
腕にはスマートウォッチ、これぞアクティブシニアの鑑ですな。
74歳にしてスマートウォッチを使いこなし、渓流で魚を捌く。
このギャップがまた、T師匠の魅力でございます。

そして完成するのが、この芸術的な一皿でございます。
朴葉(ホオノキの葉)に盛られた岩魚のお造り、皮目を炙った焼き霜造りと、皮を引いた薄造りの二種盛り、桜色の身の美しさに息を呑む次第です。
そして渓流沿いに咲くヤマアジサイの花を添える美意識。「渓流の恵みを、渓流の花で飾る」というこの一体感、これぞT師匠の料理人としての魂でございます。
単なる調理を超えた、渓流への敬意と美への感覚が凝縮された一皿でございました。
これまでのT師匠との思い出は、以下のYYPシリーズ記事にも綴っております。
よろしければあわせてご覧くださいませ。
[YYP]信州の良さをあらためて教わる。この歳で何もできない気持ちを味わう新鮮さww編
【続YYP】T師匠と新潟県境で岩魚8匹!師匠は余裕で20匹超え、あわせが早い筆者ですww
そして本日、お別れの日にお持ちしたのが、この長野の秋の味覚を詰めた贈り物でございます。

川中島白桃(長野を代表するブランド桃、この時期しか味わえない絶品)
ワッサー(桃とネクタリンの自然交配で生まれた、須坂発祥の稀少なフルーツ)
ブラックビートブドウ(長野の秋の主役)
そしてT師匠の大好物マカダミアチョコレートと、心を込めたお手紙を添えさせていただきました。
桃の本場・岡山へ、あえて長野の桃をお持ちする。この選択には、「長野で過ごされた1年間の記憶を、長野の味で締めくくっていただきたい」という筆者なりの想いを込めさせていただきました。

T師匠が笑顔でこうおっしゃいました。
「もう2〜3年前に知り合っていれば、もっととことん一緒に遊べたのにな。」
この一言、正直に申し上げて胸が熱くなりました。74歳の渓流の達人が、55歳の教え子である筆者に向けて、そう言ってくださった。これはもう、不動産屋冥利、いや人間冥利に尽きるお言葉でございます。
たしかに。もっと早く出会えていれば、もっと多くの渓流に連れて行っていただけたかも。もっとたくさんの岩魚を、一緒に釣れたかも。
だからこそ、これから岡山へお邪魔させていただけるよう頑張って仕事をする決意でございます。

そしてお別れの際に気づいたのが、T師匠のカバンにいつも付いていたこのキーホルダーでございます。
善光寺で購入されたという、木製のアマゴ??のキーホルダー、これがまた運命的でございました。
生物学科の血が騒ぐのですが、ヤマメ(Oncorhynchus masou masou)は朱点がなく、アマゴ(Oncorhynchus masou ishikawae)には朱点があるとされております。
よく見ると、このキーホルダーには朱点が描かれているので、厳密にはアマゴの意匠と拝察されるのです。
そしてご存じ、T師匠が移住される岡山県は、まさにアマゴの本場でございますww
善光寺のアマゴキーホルダーが、これからアマゴの本場・岡山へと旅立たれる。この符合、もはや運命としか言いようがございません。
奥様が「暖かいところへ行きたい」とおっしゃったことがきっかけの、今回の岡山への移住。
74歳のT師匠が奥様の一言で人生の大きな決断をされる姿、これぞ長年連れ添われたご夫婦の絆の完成形、筆者も見習いたい生き方でございます
長野のの心を読む達人が、これからは岡山のアマゴの心を読む達人へ。
魚は変わっても、渓流と向き合う姿勢は変わらないはずです。
岡山の澄んだ渓流で、T師匠が新たなアマゴを釣り上げられる日を、心から楽しみにしております。
LINEで写真を送っていただく約束をしましたww
T師匠との1年間は、まさに逆YYPの連続でございました。
渓流釣りの技術、料理人としての美意識、74歳の健脚と身のこなし、そして何より「岩魚の心を読む」という生き方の姿勢。これらはすべて、T師匠から筆者へと贈られたYYPでございます。
1年前、事業承継の伴走指導のための賃貸住宅を仲介させていただいたご縁が、まさかここまで深い師弟関係へと発展するとは、当時の筆者には想像もできませんでした。
不動産屋という仕事は、単に物件を仲介するだけの仕事ではなく、人と人とを結ぶ仕事なのだということを、T師匠との1年間を通じて改めて、身をもって教えていただいた次第でございます。
これでT師匠とのYYPシリーズはいったんは完結となりますが、太陽ホームは今後も「Y(優しく×易しく)+Y(融通)+P(プロジェクト)」の精神を胸に、安茂里の小企業として歩んでまいります。
そして、これからもきっと生まれるであろう新たな逆YYP物語が心から楽しみでしかたありませんww
T師匠、奥様、1年間本当にありがとうございました。
岡山での新生活が、健やかで、たくさんのアマゴとの出会いに満ちたものとなりますよう、心よりお祈り申し上げます。
そして、必ず岡山へお邪魔させていただきます。その日を楽しみに、筆者は長野で日々のお仕事に励んでまいります。
なにとぞよろしくお願いいたします。